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白猫と白い少女の悟り

届くことがないけど
届かなくてもいい

そんな―思い。

人は、簡単に忘れてはいけない。 [白猫と白い少女の悟り]の続きを読む
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  1. 2007/06/24(日) 23:16:27|
  2. 物語
  3. | コメント:0

「小さな花の刹那な御伽噺。私にその話を少しばかり語らせてください。」


 これは―、彼女にとってずっとずっと前の話でもあり後の話でもあります。







―――

 色とりどりの花が咲く庭園の中に、小さなおうちがぽつねんとありました。
 おうちの中には無数に散らばるおもちゃとお菓子、そして少女がひとり居ました。
 少女は白いヘッドドレスに大きなリボン、ぶかぶかした真っ白のドレスを着てぺたんと座っています。

 少女はじっと、鏡を見つめていました。
 目の前にある大きな鏡。きれいな鏡。そこに映る虚無(からっぽ)な自分の大きな瞳だけを見つめていました。

 ――ずっと昔に見た、暖かく眩しい光――優しい世界、優しい呼び声。

 記憶に色付けられ具体的になる真実。

 嗚咽とともに零れる涙、怒涛に満ちた声――赤黒い世界。
 彼女の心を呼び起こし、揺るがすのは決まって優しくて痛ましい記憶―。

 それは今でも見える・・血に塗れた自らの手で汚した記憶なのでした。
 少女は表情の無いまま悲しそうに言いました。

 『きっと私の気持ちなんて誰もわからないわ―。
 みんなはもう私を愛してはくれないでしょう…』

 それはどんなに寂しくて哀しいことでしょう。

 どれだけ後悔し絶望したのでしょう。

 しかし、少女はそれでも自分はそれでよかった、と思うのです。
 ―なんて愚かで憐れな少女なのでしょうか。
 彼女はもうなにもわからなくなってしまったのです。
 他人の心も、自分の意思も、愛も。

 そんな少女の妄想は、終にはこんな願いに辿り着いたのです。

 「わたしがもう一人いればいいのに。
 そうだわ、そしたらきっと、ずっと二人で一つになれるんだわ。」
 孤独な妄想から行着いた願望からは、身勝手さと狂気的なものを感じられました。

 そして―

 少女はそれ以来窓を見つめるようになりました。
 いつか来るかもしれないもう一人の自分を信じ待ちながら、窓の外の花畑を―。


 色取取の花畑が広がる庭――いつしか哀しみに荒んだ黄昏の空からは、夜の暗闇とともに小さな雪がゆらり、ゆらりと舞い降りてきました。




文章の複写・模写・転載等禁止。
(c)Shirogane
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  1. 2007/06/01(金) 18:26:06|
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